肛門

肛門の解剖図にあるように肛門は直腸の粘膜と肛門粘膜それを支持する筋肉や脂 肪、皮膚にて形成されています。

肛門管は内肛門括約筋、外肛門括約筋、肛門挙筋によって取り囲まれています。

内肛門括約筋はいつも肛門をある一定の力で締めている筋肉です。自律神経支配で不随意筋という自分の意思では緩めたり締めたりできない筋肉です。

外肛門括約筋は皮下部、浅部、深部からなる筋肉で、内肛門括約筋を取り囲むようにあり、排便の際に締めたり、緩めたり自分で自由にできる筋肉(随意筋)です。

肛門挙筋は骨盤臓器を支える随意筋です。肛門挙筋の一部である恥骨直腸筋は肛門の背中側を馬蹄状に取り囲む筋肉で肛門をお腹側に強く引きつけて直腸と肛門の間に屈曲(肛門直腸角)を形成させることによって排便において重要な役割を果たしています。

肛門の病気

肛門の構造

肛門の解剖図にあるように肛門は直腸の粘膜と肛門粘膜それを支持する筋肉や脂 肪、皮膚にて形成されています。 
肛門管は内肛門括約筋、外肛門括約筋、肛門挙筋によって取り囲まれています。 内肛門括約筋はいつも肛門をある一定の力で締めている筋肉です。 自律神経支配で不随意筋という自分の意思では緩めたり締めたりできない筋肉です。
外肛門括約筋は皮下部、浅部、深部からなる筋肉で、内肛門括約筋を取り囲むようにあり、排便の際に締めたり、緩めたり自分で自由にできる筋肉(随意筋)です。
肛門挙筋は骨盤臓器を支える随意筋です。肛門挙筋の一部である恥骨直腸筋は肛門の背中側を馬蹄状に取り囲む筋肉で肛門をお腹側に強く引きつけて直腸と肛門の間に屈曲(肛門直腸角)を形成させることによって排便において重要な役割を果たしています。

症状からみる肛門の病気

1)肛門の疼痛

肛門の痛みは歯状線(肛門と直腸の境界線)より外側に発生した疾患に発生します。

  • 『ピリピリ』『チクチク』した痛み
    裂肛(切れ痔)や肛門周囲の皮膚炎・外傷
  • 『ズキズキ』という痛み
    炎症性の腫脹を伴う疾患例えば血栓性外痔核や肛門周囲膿瘍,直腸肛門癌

裂肛(切れ痔)の痛みは排便時には疼痛が少なく排便後4~5 分過ぎてから次第に疼痛が増強することが多く、炎症性痔核の脱出でかんとん状態に陥ったものや、直腸肛門周囲膿瘍の進行したものでは常時激しい疼痛があります。
直腸や肛門部にとくに原因となるべき器質的な病変がないのに関わらず常に鈍痛か発作的な激痛を訴えるもの→特発性肛門痛(腰椎の変形や腰筋の捻挫による坐骨神経痛が、その分枝である陰部神経に波及する為に起こるといわれています)

2)出血・・・一般に

  • 排便時の新鮮血(きれいな赤色)
    肛門付近の出血
  • 排便に関係ない暗赤色の血液
    大腸疾患
  • コールタール様の黒色便
    上部消化管の出血

例外として・・・

  • 直腸に発生した大きなポリープ
    鮮血
  • 出血性痔核を肛門内に戻したとき
    直腸に血液が溜り暗赤色になる

3)肛門のかゆみ・・・表あり

  • 腫脹・・・肛門周囲の腫脹で最も多いもの → 外痔核

外痔核にて血栓(血まめ)を形成するものは疼痛が強く血の塊が青黒色に透けてみえることがあります。

  • 発熱を伴う有痛性の腫脹 → 肛門周囲膿瘍,化膿性粉瘤(アテローム),肛門癌尖圭コンジローム

尖圭コンジローム

4)脱出・・・痔核の Goligher 分類・・・表あり

  • 同心円状(ドリル状)に脱出
    直腸脱
  • 乳白色のコリッとした脱出
    肛門ポリープ

内外痔核の脱肛

5)分泌物・・・最も多いものは痔ろうの瘻孔(出口)よりの膿性分泌物

この分泌物がムチン状(粘っこいネバネバした)になると癌性(痔ろう癌)のものが疑わしくなります。
その他分泌物を呈するものに

  • 肛門皮膚炎がひどくなり、ビラン状(ただれ)になったもの
  • 痔核や肛門ポリープの脱出により腸液が肛門外に漏出したもの
  • 絨毛状腺種や大腸がんによる血性の分泌物

があります。

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